ジョン・ラッテンベリー画伯は1966年にイギリスで生まれました。幼少時に家族とともにアメリカのカリフォルニア州北部に移住し、画伯は豊かな大自然の中で成長します。 本格的に美術を学んだのは学生になってからですが、絵画制作の技法はほとんど独学で身に付け、この当時からさまざまな賞を受賞するほどの技術と表現力をすでに獲得していました。
また古今のさまざまな画家の作品にも大いに興味を持ち、マックスフィールド・バリッシュ、アルバート・ピエスタッド、さらにはモネなどから多くの影響を受けました。卒業後はガラスメーカーなどで働きながら、絵画表現に刺激を与えるさまざまな新しいテクニックを吸収し、常にアーティストとしての姿勢を保ち続けていたジョン・ラッテンベリー画伯。画家としてのキャリアを確立していくのは、ごく自然な流れでもありました。
ジョン・ラッテンベリー画伯の作品は、常に自然を題材にしています。
「子ども時代は周囲に広がる渓谷や湖、河などを探索したものです。5歳のとき、誰の手ほどきも受けずに絵を始めたのも、知らず知らずのうちにこの素晴らしい自然環境に感化されていたからだと思います。」と語るジョン・ラッテンベリー画伯。作品のなかに感じとれる自然への畏敬や賛美の念は、成長期の画伯の五感にもごく当たり前のように取り込まれていったのでしょう。
「絵画制作を通じて、日々自然から多くの恩恵を受けていることを実感します」というジョン・ラッテンベリー画伯は、自然への感謝の気持ちを忘れたことがないそうです。人と人の争いや環境破壊、自然の荒廃など、私たちの胸を痛める出来事が続くいまの時代にあって、画伯は「制作にあたっては、そのことの悲しさや愚かしさを多くの人に気づいてほしいそいうメッセージを込めているのです。」話してくれました。
そんなジョン・ラッテンベリー画伯にとって、日々の生活において一番大切なものは、何といってもご家族と過ごす時間です。 朝は必ず家族そろって朝食をとり、夕食後も家族でテレビをみたりお喋りをしたりして、お子さんたちがベッドに入るまで一緒にくつろぐのがジョン・ラッテンベリー画伯ご一家の日常。絵を描いていあにときは、ご家族とスポーツをしたり、映画を観たりと、いつも家族みんなで過ごす時間が最優先。「仕事のためになかなか家族との時間が持てない人が多いなかで、自分はとても恵まれていると思います。」とおっしゃっています。 特に大切にしているのが、クリスマスホリデーです。多くのアメリカ人がそうであるように、ジョン・ラッテンベリー画伯にとっても、いつも離れて暮らしている家族がひとつに集まるこの時期は一年で最大の楽しみ。ご両親、双子のお兄さんであるティム夫妻、そして奥様のご家族などを次々と家庭に招き、クリスマス料理を楽しみ、プレゼント交換や語らいのひとときを過ごします。 「私にとって、自らが愛するものこそが真に大切なもの。そこから得られる幸せのためにいかなる努力も惜しみません。」という画伯。真に豊かな生活とは何であるかを知るからこその言葉でしょう。
ジョン・ラッテンベリー画伯はまた、自分の好きなものを身近に置くことの意義についても語っています。 「どんなものでもいいので、生活のなかに自分の好きなものを置いておくと、精神的にとても満たされ、毎日の暮らしに明るさがもたらされます。私が画家であるということに関係なく、もしそれが優れたアートであるならば、その存在はやがて心の中に何か確固としたものを芽生えさせ、暮らしの質そのものを高めてくれるでしょう。」 アートという言葉にとらわれず、自分のとても気に入っているもの、こだわりを持っているもの、あるいは質の良いものを生活空間の中に置いてみると、それが自分の心にゆとりや豊かさを生み、ひいては暮らしの中の感動へと繋がっていくのです・・・とも。 「そうしたものを見つけ、大切にするという努力を惜しんではならないと思います。」という深い意味がこもっているようです。
ジョン・ラッテンベリー画伯が、絵画だけでなく音楽の分野にも才能を発揮されているのは知る人ぞ知るところ。自ら作曲しピアノやシンセサイザーで演奏したCD『ニューホライズン』をリリースしておられ、現在は新しいアルバム制作に向けての曲作りにもいそしんでおられます。
ジョン・ラッテンベリー画伯によると、心の声をサウンドに託したものが音楽、そのサウンドをビジュアル化したものが絵画という関係。すなわち、圧倒的な自然から豊かなインスピレーションを授かる日々を送っていると、常にさまざまな形で五感が刺激され、体の奥深くから創造へのエネルギーが沸き起こってくる。
その表現手法こそが、画伯においては絵画であり音楽であるのです。
「音楽によって自由で大胆な発想がもたらされ、それが絵画制作にも大きな影響を与えていく。音楽と絵画の両方が存在する事によって、私の内面をより深く表現することができるのです。」
絵画と音楽。一見かけはなれた世界のようでありながら、ジョン・ラッテンベリー画伯にとってはそれぞれ切っても切り離せない関係にある存在。2つの異なる表現手段を持つことで、画伯の創造力はより高度な形で発揮されていくのです。